経営者


経営者の健康は会社の資産

― 会社を守るために、経営者自身の健康を考える ―

企業にとって最も重要な資産は何でしょうか。

設備や資金、人材、技術など、さまざまなものが挙げられます。しかし、忘れてはならないのが、経営者自身の健康です。

特に中小企業では、経営者が営業、経営判断、人材管理など、多くの役割を担っていることも少なくありません。

もし経営者が突然病気で倒れてしまったら、日々の業務だけでなく、重要な意思決定や取引先との関係、さらには企業の存続にも影響が及ぶ可能性があります。

経営者の健康を守ることは、企業の未来を守ることでもあるのです。

忙しい経営者ほど、健康管理を後回しにしてしまう

「仕事が忙しくて病院に行く時間がない」「多少の疲れは仕方がない」「健康診断で異常を指摘されたけれど、症状がないから大丈夫」

このように考えてしまうことはありませんか。

しかし、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、自覚症状がないまま進行することがあります。

こうした病気は、脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患につながる危険因子です。

特に働き盛りの40代・50代では、仕事上の責任が増える一方で、加齢に伴う生活習慣病のリスクにも注意が必要になります。

症状がないことと、健康であることは必ずしも同じではありません。

長時間労働は、脳や心臓にも影響する

経営者の中には、従業員以上に長い時間働いている方もいるかもしれません。

しかし、長時間労働が続くことは、健康面から見ても注意が必要です。

世界保健機関(WHO)と国際労働機関(ILO)が2021年に発表した研究では、週35〜40時間働く人と比較して、週55時間以上働く人では、脳卒中の発症リスクが約35%、虚血性心疾患の発症リスクが約17%高いと推定されました。

これは集団を対象とした研究結果であり、すべての人に同じ危険性が当てはまるわけではありませんが、長時間労働が健康に及ぼす影響を示す重要な報告です。

また、慢性的な睡眠不足やストレスは、集中力や判断力にも影響する可能性があります。

経営者に求められるのは、長時間働き続けることだけではありません。適切な判断を重ね、企業を持続的に成長させていくことです。

そのためにも、十分な休息と健康管理が欠かせません。

健康管理は「支出」ではなく「将来への投資」

経営者が健康管理に取り組むことは、病気を予防するだけでなく、事業を安定して継続するためのリスク管理にもつながります。

例えば、日頃から血圧や血糖値、コレステロール値などを適切に管理することで、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを低減できる可能性があります。

また、適度な運動や十分な睡眠、ストレスへの対処は、心身の健康を維持するうえで重要です。

WHOは、成人に対して週150〜300分の中強度の有酸素運動などを推奨しています。

忙しい経営者にとって、まとまった運動時間を確保することは難しいかもしれません。しかし、日常生活の中で歩く時間を増やすなど、小さな取り組みから始めることも大切です。

健康管理に費やす時間は、単に仕事をしていない時間ではありません。

将来も健康に経営を続けるための、大切な投資と考えることができます。

経営者自身にも、健康を相談できる存在を

企業では、従業員の健康診断やストレスチェック、産業医面談など、健康管理の仕組みが整えられつつあります。

一方で、経営者自身の健康については、相談する機会が十分に確保されていないこともあります。

経営上の責任やプレッシャーを抱えながらも、周囲に弱音を吐きにくいと感じる方もいるでしょう。

だからこそ、経営者自身にも、健康状態を定期的に確認し、医学的な視点から相談できる機会を持つことが大切です。

健康診断の結果を確認するだけでなく、睡眠、疲労、ストレス、生活習慣などを総合的に見直し、必要に応じて専門医の診察や治療につなげることが、将来の健康リスクへの備えになります。

また、経営者が自ら健康を大切にする姿勢を示すことは、従業員が健康管理に取り組みやすい職場風土をつくるうえでも意味があります。

まとめ

企業の成長を支えているのは、そこで働く人々の力です。そして、その企業を率いる経営者自身の健康も、かけがえのない経営資源の一つです。

日々の業務に追われる中では、自分自身の健康管理は後回しになりがちです。しかし、病気になってから対応するのではなく、健康なうちから将来のリスクに備えることが重要です。

会社の将来を考えるとき、売上や利益、事業計画だけでなく、経営者自身の健康についても考えてみてはいかがでしょうか。

経営者の健康を守ることは、会社の持続的な成長を支える第一歩です。

A-COMPASSは、医学的な専門性を活かし、従業員だけでなく経営者自身の健康にも目を向けながら、企業と働く人の未来を支えてまいります。

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